幼い頃から音楽や絵画が大好きで、短大卒業後も音楽に関わる仕事ができればと思っておりました。 ちょうどその頃、フラワーアレンジメントという、大変クリエイティブな花の使い方に出会い、衝撃を受けました。

それから無我夢中で技術や感覚を学ぶ中、自分と花の関わり方が見えてきました。そこで、もっと根本的なものを追求しようとヨーロッパに渡り、イギリスのフラワースクールで短期間学んだ後、他の国々もまわってきました。

自分の求めていた、「生活の中での花との触れ合い方」がそこにあったのです。毎日が衝撃的で、有意義な日々の間に、趣味から仕事へ、意欲的に心が移っていきました。
帰国後、私の花に対する熱い想いを表現し、少しでも多くの人達に感動していただける場があればと思い、「仕事」として改めて修業に励みました。

私は一見苦労知らずに見えるらしいのですが、この時期は自分ひとり、365日休みなし無我夢中で働きました。 そして「スタジオハウゼ」という会社を設立すると同時にフラワースクールも開設し、本格的な活動に入りました。

様々な空間に自分の花を生けることでその場に「華」を添え、喜んでいただくことができました。また、スクールでも生徒さんたちが季節季節の花に出会い、対話することによって、目が輝いてくるのを感じました。

その後、身近な人達にも花の魅力を提案したかったので、新しいスタイルのフラワーショップをオープンしました。時代性も敏感に取り入れた、ちょっと斬新なギャラリー風ショップです。約30数年がたち、また時代が変わってきています。その中でも常に感動を味わってもらうために、また新しい提案をしていこうと思います。

お店とスクールの共通の名前「スタジオハウゼ」の「ハウゼ」はHOWSEと綴るのですが、ハウス(HOUSE)の意味ではなく、それぞれ、ハート(Heart)、オゾン(Ozone)、水(Water)、太陽(Sun)、地球(Earth)の頭文字をとった造語です。植物が育つのになくてはならないものを表現しています。そして1番大切なHeartを最初にもってきました。

---自然の中に咲いている花が一番美しい。その花を、自分が手を加えることによって、身近な生活空間の中でより一層輝かせたい。そうすれば切ってきた花も喜ぶ。「花と対話する」--
そういうデザインをしたいと思っているので、 お花をいじくりまわしたり作り過ぎたりするのはあまり好きではありません。

自然を愛し、人を愛する心が何よりも大切なことだと思います。だから、ちょっとキザなんですが、「この"愛"、咲かせてみたら」がスタジオハウゼのスローガンというか合言葉です。愛情をもって花に接していれば、その気持ちは必ず作品に表れてきます。形や色の美しさはもちろんのこと、自然ににじみ出てくるそういう気持ちが人を感動させるのだと思います。

フラワーデザインは、そういう愛情とか優しさを表現するのにふさわしい方法です。だから、素晴らしいのではないのでしょうか。これからはさらに進化し、現代社会の中で心豊かに、より多くの人に感動していただけるようニーズにお応えしていこうと思っています。